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食事・栄養

日本の女性に不足しやすい栄養素とは?鉄・葉酸・カルシウム・ビタミンDを年代別に見る

日本の女性は、鉄、葉酸、カルシウム、ビタミンD、食物繊維が不足しやすいといわれます。厚生労働省の国民健康・栄養調査(2024年)の年代別の摂取量を、日本人の食事摂取基準(2025年版)と並べ、生理や妊娠との関係、若い女性のやせ、高齢女性のたんぱく質について説明します。

公開 2026.11.01参考文献 11件約11分フェムコア研究所 編集部

学会・公的機関の資料と論文をもとに書いています。編集方針

ふたつのティーカップと茶葉
Photo: Katrin Hauf / Unsplash

この記事でわかること

  • 国民健康・栄養調査(2024年)の年代別データと、日本人の食事摂取基準(2025年版)を並べて見た、女性の鉄・葉酸・カルシウム・ビタミンD・食物繊維・たんぱく質
  • 生理のある年代の鉄、妊娠を考えている人の葉酸など、ライフステージごとに気をつけたい点
  • 20〜30代女性のやせと、65歳以上の低栄養傾向について調査でわかっていること
目次
  1. どんな調査をもとにしている?
  2. 年代別に見た女性の摂取量
  3. 鉄は生理のある年代でとくに足りない
  4. 葉酸は妊娠を考えている人にとって大切
  5. カルシウムはどの年代でも推奨量に届いていない
  6. ビタミンDは食事だけでは目安に届きにくい
  7. 食物繊維は若い世代ほど少ない
  8. 高齢の女性はたんぱく質と体重の減少に注意
  9. 若い女性のやせはどのくらい?
  10. 年代ごとに気をつけたいこと
  11. よくある質問
  12. 参考文献

厚生労働省の「国民健康・栄養調査」(2024年)では、20〜40代の女性の鉄の摂取量は1日平均6.3〜6.6mgで、生理のある女性の推奨量(10.0〜10.5mg)を大きく下回っていました[1][5]。カルシウムも20〜40代で平均389〜411mgと、推奨量の650mgに届いていません[1][7]。葉酸、ビタミンD、食物繊維も、若い世代ほど摂取量が少ない傾向です[1]。一方で、20代女性の17.1%がやせ(BMI18.5未満)に当たり、65歳以上の女性の25.2%に低栄養の傾向がみられます[2]。平均値が基準を下回っていても、一人ひとりが不足しているとは限りませんが、生理の量が多い、疲れやすい、妊娠を考えているといった場合は、食事を見直すとともに、婦人科や内科で相談してみてください。


どんな調査をもとにしている?

この記事では、厚生労働省が毎年行っている「国民健康・栄養調査」の、2024年(令和6年)の報告書を使っています[1][2][3]。2024年の秋に行われた調査で、栄養摂取状況の調査には1歳以上の女性9,844人が参加しました[1]。報告書の数値は、全国の人口構成に合わせて補正された値です[1]。

比べる基準は、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」です[4]。食事摂取基準には、ほとんどの人が足りる量を示す「推奨量」、そのもとになる「推定平均必要量」、十分なデータがない栄養素に使う「目安量」、生活習慣病の予防のための「目標量」があります。

読むときに気をつけたいのは、調査は特定の1日の食事を記録したもので、ふだんの食生活をそのまま表すわけではないことです。また、集団の平均値が推奨量を下回っていても、その年代の全員が不足しているという意味にはなりません。逆に平均値が推奨量を超えていても、不足している人はいます。あくまで、集団としての傾向をつかむ目安として見てください。


年代別に見た女性の摂取量

国民健康・栄養調査2024年の、女性の年代別の平均摂取量です[1]。

年代鉄(mg)葉酸(μg)カルシウム(mg)ビタミンD(μg)食物繊維(g)たんぱく質(g)
15〜19歳6.62214324.515.467.5
20〜29歳6.32193895.315.262.9
30〜39歳6.32134005.114.962.0
40〜49歳6.62354114.815.863.2
50〜59歳7.32614535.816.866.7
60〜69歳7.62845157.217.968.3
70〜79歳8.13115438.018.869.4
80歳以上7.42875188.017.863.8

(表は文献[1]の第1表の3をもとに作成)

食事摂取基準(2025年版)の、18〜64歳の女性の主な値は次のとおりです[5][6][7][8][9][10]。

栄養素基準の種類18〜64歳の女性
鉄推奨量生理あり10.0〜10.5mg、生理なし6.0mg
葉酸推奨量240μg
カルシウム推奨量650mg
ビタミンD目安量9.0μg
食物繊維目標量18g以上
たんぱく質推奨量50g

全体を見ると、鉄、葉酸、カルシウム、食物繊維は20〜40代でもっとも少なく、年齢が上がるにつれて増えていく傾向があります。


和室の窓辺で朝の景色を眺める女性
Photo: Seiya Maeda / Unsplash

鉄は生理のある年代でとくに足りない

鉄は、赤血球のヘモグロビンの材料になるミネラルです。不足すると鉄欠乏性貧血になり、体のだるさ、息切れ、顔色の悪さ、疲れやすさなどが出ることがあります[5]。

食事摂取基準では、生理のある女性の鉄の推奨量は18〜29歳で10.0mg、30〜64歳で10.5mgとされ、生理のない女性(6.0mg)よりかなり多く設定されています[5]。生理で失われる鉄を補う必要があるためです。

これに対して、2024年の調査では、20代と30代の女性の平均摂取量はどちらも6.3mg、40代は6.6mgでした[1]。生理のある年代の推奨量の6割ほどです。50代以降は平均7.3〜8.1mgに増えますが、閉経後は推奨量も6.0mg前後に下がります[1][5]。

妊娠中はさらに多く必要で、推奨量に妊娠初期は2.5mg、中期・後期は8.5mg、授乳中は2.0mgを上乗せするとされています[5]。

なお、WHO(世界保健機関)の推計では、日本の15〜49歳の女性の貧血の割合は18.7%(2023年)とされています[11]。

生理の量が多い人は受診も考えて

生理の量が多い、レバーのようなかたまりが出る、立ちくらみや息切れが続く、健診で貧血を指摘された、といった場合は、食事だけで何とかしようとせず、婦人科や内科で相談してください。過多月経の背景に子宮筋腫などの病気が隠れていることもあり、血液検査で貧血の程度や鉄の不足を確かめられます。鉄のサプリメントや薬は、とりすぎると体に負担がかかることもあるので、自己判断で多く飲み続けるのは避けたほうが安心です。


葉酸は妊娠を考えている人にとって大切

葉酸はビタミンB群の一つで、細胞が増えるときに必要な栄養素です。食事摂取基準では、成人女性の推奨量は240μgで、妊娠中期・後期は240μg、授乳中は100μgが上乗せされます[6]。

2024年の調査では、20代女性の平均は219μg、30代は213μgで、推奨量をやや下回っていました[1]。40代は235μg、50代以降は推奨量を超えています。

妊娠を考えている人にはもう一つ大事な点があります。食事摂取基準では、妊娠を計画している女性、妊娠の可能性がある女性、妊娠初期の妊婦は、胎児の神経管閉鎖障害(二分脊椎など)のリスクを減らすために、通常の食事とは別に、サプリメントなどの「通常の食品以外の食品」から葉酸を1日400μgとることが望まれるとされています[6]。神経管は妊娠のごく初期にできるため、妊娠がわかってからではなく、妊娠を考えはじめた段階から意識しておくことが大切です。

持病で薬を飲んでいる人、以前の妊娠で神経管閉鎖障害があった人などは、必要な量が変わることがあるので、産婦人科で相談してください。


カルシウムはどの年代でも推奨量に届いていない

カルシウムは骨や歯をつくるミネラルです。食事摂取基準の推奨量は、15〜74歳の女性で650mg、75歳以上で600mgです[7]。

2024年の調査では、女性のどの年代でも平均摂取量が推奨量を下回っていました[1]。とくに少ないのは20代(平均389mg)と30代(400mg)です。20代の中央値(真ん中の人の値)は363mgで、推定平均必要量の550mgも下回っています[1][7]。

女性は閉経後に女性ホルモンが減ると、骨量が減りやすくなるといわれています。


やわらかな日差しの窓辺で物思いにふける女性
Photo: Beaver Fernandez / Unsplash

ビタミンDは食事だけでは目安に届きにくい

ビタミンDは、腸でカルシウムが吸収されるのを助け、骨の健康にかかわるビタミンです。食事摂取基準(2025年版)では、成人女性の目安量は9.0μgとされています[8]。

2024年の調査では、女性の平均は20〜40代で4.8〜5.3μg、70代以上で8.0μgでした[1]。ただし、ビタミンDは魚などに多く、食べた日と食べなかった日の差が大きいため、平均値は一部の多くとった人に引き上げられています。20〜40代の中央値は2.3μgでした[1]。

ビタミンDは、日光(紫外線)を浴びると皮膚でもつくられます。食事摂取基準では、日常生活のなかで可能な範囲で適度に日光を浴びることがすすめられています[8]。日焼け止めを欠かさない人や、屋内で過ごす時間が長い人は、食事からとることをより意識するとよいでしょう。


食物繊維は若い世代ほど少ない

食物繊維の目標量は、18〜74歳の女性で1日18g以上、75歳以上で17g以上です[9]。生活習慣病の予防のためには、成人では25g以上が理想とされています[9]。

2024年の調査では、女性の平均は20代15.2g、30代14.9g、40代15.8gで、60代(17.9g)や70代(18.8g)より少なくなっていました[1]。同じ調査では、女性の野菜の摂取量も20〜40代で1日およそ200〜218gと、年齢が上の世代より少ないことが報告されています[3]。


高齢の女性はたんぱく質と体重の減少に注意

たんぱく質の推奨量は、成人女性で年齢にかかわらず1日50gです[10]。2024年の調査では、70代の女性の平均は69.4g、80歳以上は63.8gで、平均値では推奨量を上回っていました[1]。

ただ、高齢者では、食事摂取基準はエネルギーに占めるたんぱく質の割合として、65歳以上は15〜20%を目標量にしています[10]。たんぱく質は筋肉の量や筋力に大きくかかわり、多くとっている人ほどフレイル(心身が弱っていく状態)のリスクが低いと報告されています[10]。

同じ2024年の調査では、65歳以上の女性の25.2%が、BMI20以下の「低栄養傾向」に当たっていました[2]。平均では足りていても、食が細くなった人、体重が減ってきた人は、主菜(肉、魚、卵、大豆製品)を毎食とれているか、見直してみるとよいかもしれません。体重が急に減ってきたときは、かかりつけ医に相談してください。


若い女性のやせはどのくらい?

2024年の調査では、BMIが18.5未満の「やせ」に当たる女性の割合は、15〜19歳で17.9%、20代で17.1%、30代で16.1%でした[2]。20〜30代の女性をまとめると16.6%で、およそ6人に1人です[3]。女性全体では13.2%でした[2]。

やせていると、食事の量そのものが少ないことが多く、鉄やカルシウムなどの栄養素も不足しやすくなります。表で見たとおり、20〜30代は大人のなかで鉄、カルシウム、葉酸、食物繊維の摂取量がもっとも少ない世代でもあります[1]。無理なダイエットで生理が止まった、生理が不順になったという場合は、婦人科で相談してください。


年代ごとに気をつけたいこと

ライフステージ意識したい栄養素理由
10代〜40代(生理がある時期)鉄、カルシウム、葉酸生理で鉄が失われる。骨量を蓄える時期でもある
妊娠を考えている時期・妊娠初期葉酸(食事に加えて1日400μg)、鉄神経管閉鎖障害のリスクを減らすため[6]
妊娠中・授乳中鉄、葉酸推奨量に上乗せが設定されている[5][6]
閉経前後カルシウム、ビタミンD女性ホルモンの減少で骨量が減りやすい
65歳以上たんぱく質、カルシウム、ビタミンD筋肉や体重の減少、フレイルの予防のため[10]

(表は文献[5][6][7][8][10]をもとに作成)

ほかの国の女性ではどの栄養素が不足しやすいのかは、国別に見る、女性に不足しやすい栄養素で説明しています。


よくある質問

Q1. 平均摂取量が推奨量より少ないと、自分も不足しているということですか?

そうとは限りません。推奨量はほとんどの人が足りる量として、少し多めに設定されています。また、国民健康・栄養調査は特定の1日の食事を記録したものです。自分の状態が気になる場合は、数日分の食事を振り返るか、健診の血液検査の結果を確認してみてください。

Q2. 生理のある女性は、鉄を1日どのくらいとればよいですか?

日本人の食事摂取基準(2025年版)では、生理のある女性の推奨量は18〜29歳で10.0mg、30〜64歳で10.5mgです[5]。2024年の調査では20〜40代の女性の平均は6.3〜6.6mgでした[1]。生理の量が多い、だるさや息切れが続く場合は、婦人科や内科で相談してください。

Q3. 葉酸のサプリメントは、いつから飲めばいいですか?

食事摂取基準では、妊娠を計画している女性や妊娠の可能性がある女性は、通常の食品以外の食品から葉酸を1日400μgとることが望まれるとされています[6]。神経管は妊娠のごく初期にできるため、妊娠を考えはじめた時点から意識しておくのがよいとされます。持病や服用中の薬がある人は、産婦人科で相談してください。

Q4. ビタミンDは日光を浴びればとらなくてもよいですか?

ビタミンDは日光を浴びると皮膚でもつくられますが、季節や住んでいる地域、日焼け止めの使用、屋外で過ごす時間によって大きく変わります[8]。食事摂取基準では、適度な日光浴とあわせて、食事からも目安量(成人女性9.0μg)をとることが考えられています[8]。

Q5. 若い女性のやせはなぜ問題なのですか?

やせていると食事の量が少ないことが多く、鉄やカルシウムなども不足しやすくなります。2024年の調査では、20〜30代女性の16.6%がやせに当たっていました[3]。生理が止まったり不順になったりしている場合は、婦人科で相談してください。


参考文献

参考にした論文・資料(11件)
  1. 厚生労働省「令和6年国民健康・栄養調査報告」第1部 栄養摂取状況調査の結果(第1表の3 栄養素等摂取量、女性). https://www.mhlw.go.jp/content/001675212.pdf
  2. 厚生労働省「令和6年国民健康・栄養調査報告」第2部 身体状況調査の結果(第17表 BMIの状況). https://www.mhlw.go.jp/content/001742496.pdf
  3. 厚生労働省「令和6年国民健康・栄養調査結果の概要」(2025年12月2日公表). https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001603146.pdf
  4. 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書. https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html
  5. 健康長寿ネット(公益財団法人長寿科学振興財団)「鉄の働きと1日の摂取量」(日本人の食事摂取基準2025年版に基づく). https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/mineral-tetsu.html
  6. 健康長寿ネット(公益財団法人長寿科学振興財団)「葉酸・ビオチンの働きと1日の摂取量」(日本人の食事摂取基準2025年版に基づく). https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/vitamin-yousan-biotin.html
  7. 健康長寿ネット(公益財団法人長寿科学振興財団)「カルシウムの働きと1日の摂取量」(日本人の食事摂取基準2025年版に基づく). https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/mineral-ca.html
  8. 健康長寿ネット(公益財団法人長寿科学振興財団)「ビタミンDの働きと1日の摂取量」(日本人の食事摂取基準2025年版に基づく). https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/vitamin-d.html
  9. 健康長寿ネット(公益財団法人長寿科学振興財団)「食物繊維の働きと1日の摂取量」(日本人の食事摂取基準2025年版に基づく). https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/shokumotsu-seni.html
  10. 健康長寿ネット(公益財団法人長寿科学振興財団)「たんぱく質・アミノ酸の働きと1日の摂取量」(日本人の食事摂取基準2025年版に基づく). https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/tanpaku-amino.html
  11. World Health Organization. Global Health Observatory: Prevalence of anaemia in women of reproductive age (aged 15-49)(世界銀行 World Development Indicators SH.ANM.ALLW.ZS 経由, 2023年推計). https://www.who.int/data/gho/data/indicators/indicator-details/GHO/prevalence-of-anaemia-in-women-of-reproductive-age-(-)

※この記事は一般的な健康情報の提供を目的としたもので、診断や治療に代わるものではありません。気になる症状がある場合は医療機関にご相談ください。

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フェムコア研究所 編集部
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参考文献に挙げた11件の資料を開いて、数字や表現が原文と合っているかを確認しています。「必ず治る」「誰にでも効く」とは書きません。
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  • 2026.11.01 公開
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