おりものが臭い・色がいつもと違うときの原因と、受診の目安
おりものの生臭いにおいや色の変化は、細菌性腟症やカンジダ、性感染症などのサインのことがあります。正常なおりものとの違い、自分でできるケア、婦人科を受診する目安を説明します。
学会・公的機関の資料と論文をもとに書いています。編集方針

この記事でわかること
- 正常なおりものの色・量・においと、月経周期による変化
- おりものの色・状態・においから考えられる原因の目安
- 腟の中を洗わないなどの日常のケアと、婦人科を受診する目安
目次
おりものは、透明から乳白色で、強いにおいがなければ正常です。量や粘りは月経周期によって変わり、排卵のころは透明でよく伸びるおりものが増えます。魚のような生臭いにおいが続くときは細菌性腟症、白くポロポロしたおりものとかゆみはカンジダ、黄色や緑色の泡立ったおりものはトリコモナスなど、においや色の変化は原因を考える手がかりになります。ただし見た目だけで原因を決めることはできないため、いつもと違う状態が数日続くときは婦人科で検査を受けることがすすめられています。
正常なおりものはどんなもの?
おりもの(帯下)は、腟や子宮頸部から出る分泌物です。腟の中をうるおし、雑菌が入るのを防ぐ役割があります。
MSDマニュアル家庭版では、においがなく乳白色、またはサラサラした透明の分泌物は、多くの女性にみられる正常な現象とされています [1]。英国のNHSも、透明か白で、ねばねばしている、またはぬるぬるして湿っているおりものは、強いにおいや不快なにおいがなければ通常は心配いらないとしています [2]。
少しにおいがあるのは自然なことです。腟の中には乳酸菌(ラクトバチルス属)が多くすみついていて、腟内を酸性に保っています。日本性感染症学会のガイドライン(草案)では、ラクトバチルス属が正常な腟内細菌の75〜95%を占めるとされています [3]。このため、健康なおりものでも、わずかに酸っぱいようなにおいがすることがあります。
月経周期や年齢による変化
おりものの量や状態は、女性ホルモン(エストロゲン)の影響を受けて変わります [1][2]。
| 時期 | おりものの様子 |
|---|---|
| 月経が終わったころ | 量が少なめ |
| 排卵のころ(周期の半ば) | 量が増え、透明で水っぽく、よく伸びる |
| 排卵後〜月経前 | 白っぽく、ねばりが出る。量は人によって増えたり減ったりする |
| 妊娠中 | 量が増えやすい |
| 低用量ピルなどホルモン剤の使用中 | 量や性状が変わることがある |
| 閉経後 | エストロゲンが減り、量が少なくなる |
MSDマニュアル家庭版では、排卵の数日前、妊娠中、エストロゲンを含む薬の使用中に量が増え、閉経後は減るとされています [1]。月経の直前・直後は経血が少し混じって茶色っぽく見えることもあります。
おりものの色・におい・状態と考えられる原因
いつもと違うおりものは、腟内の細菌のバランスの乱れや感染症のサインのことがあります。下の表は目安です。同じ見た目でも原因が違うことや、複数の原因が重なることもあるため、自己判断はせず受診の参考にしてください [1][2][4]。
| おりものの状態 | におい | ほかの症状 | 考えられる原因 |
|---|---|---|---|
| 灰色〜黄緑色、サラサラして量が多い | 魚のような生臭いにおい。性交後や月経中に強くなりやすい | かゆみや赤みは少ない。症状がないことも多い | 細菌性腟症 |
| 白くて、ポロポロ・カッテージチーズ状 | あまり強くない | 外陰部や腟の強いかゆみ、ヒリヒリ感、赤み | 腟カンジダ症 |
| 黄色〜緑色で泡立っている、量が多い | 生臭いことがある | 性行為でうつる。男性側は無症状のことが多い | 腟トリコモナス症 |
| 量が増える、いつもと違う | 変化しないこともある | 不正出血、性交時の痛み、下腹部痛。無症状のことも多い | クラミジア、淋菌感染症 |
| 量が多い | 強い悪臭 | タンポンを入れた覚えがある | タンポンの取り忘れなど腟内の異物 |
| 血が混じる、ピンク〜茶色が続く | さまざま | 閉経後の出血、性交後の出血 | 子宮や子宮頸部の病気などを調べる必要がある |
細菌性腟症(生臭いにおい)
「おりものが魚のようなにおいがする」場合に、まず考えられるのが細菌性腟症です。腟内の乳酸菌が減り、ほかの細菌が増えた状態で、性感染症ではありませんが、性行為の経験がない人にも起こります [4]。
MSDマニュアル(プロフェッショナル版)では、おりものは黄緑色または灰色でサラサラしており、魚のようなにおいがあり、性交後や月経中はおりものがアルカリ性に傾くため、においが強くなることが多いとされています [4]。日本性感染症学会のガイドライン(草案)では、細菌性腟症の約半数は無症状とされています [3]。米国CDCは、米国の14〜49歳の女性の29.2%(推計約2,120万人)に細菌性腟症がみられたと報告しています(2001〜2004年の全国調査)[5]。
妊娠中の細菌性腟症は早産などとの関連が報告されているため、妊娠中に生臭いにおいに気づいたら、健診を待たずに相談してください [3][4]。
腟カンジダ症(白いポロポロのおりものとかゆみ)
カンジダは、もともと体にいる真菌(カビの一種)です。抗菌薬(抗生物質)の服用、妊娠、糖尿病、免疫の低下などをきっかけに増えると、腟カンジダ症になります。性行為でうつる病気ではないとされています [6]。
白くてねばねばした、凝乳状(カッテージチーズや酒かすのよう)のおりものが特徴で、外陰部や腟のかゆみ、ヒリヒリ感、赤みや腫れをともないます。月経前の1週間に症状が強くなることがあります [6]。においは強くないことが多く、かゆみが主な悩みになりやすいのがほかとの違いです。かゆみについては「デリケートゾーンのかゆみ」の記事もあわせてご覧ください。
腟トリコモナス症(黄色〜緑色の泡立ったおりもの)
トリコモナスという原虫による感染症で、ほぼ例外なく性行為でうつります。緑色や黄色の泡状のおりものが大量に出ることがあり、生臭いにおいをともなうこともあります [7]。男性は症状が出ないことが多く、気づかないうちにうつしてしまうことがあるため、パートナーも同時に治療を受けるべきとされています [7]。
クラミジア・淋菌感染症
クラミジアや淋菌も、おりものの変化の原因になります [1]。厚生労働省は、女性のクラミジア感染症は症状が軽い、またはほとんどないことが多く、進行すると不正出血や性交時の痛みが出ること、放置すると不妊や流産の原因になることがあるとしています [8]。NHSでは、骨盤のあたりの痛みや出血をともなうおりものの変化は、クラミジアや淋菌のサインのことがあるとしています [2]。
においが気にならなくても、性行為のあとにおりものが増えた、色が変わったという場合は検査の対象になります。
タンポンの取り忘れなどの異物
MSDマニュアル家庭版では、取り忘れたタンポンなど腟内の異物があると、悪臭をともなうおりもの(しばしば大量)が出るとされています [1]。月経の終わりにタンポンを入れたまま忘れてしまうことは珍しくありません。指で取り出せない、取り出しても悪臭やおりものが続く、発熱があるといった場合は婦人科を受診してください。

自分でチェックしたいこと
受診するか迷うときは、次の点を見てみてください。メモしておくと、診察のときにも伝えやすくなります。
- においは「いつもより強い」程度か、生臭い・腐ったような強いにおいか
- 色(透明・白・黄色・緑色・灰色・茶色・血が混じる)
- 状態(サラサラ・ねばねば・ポロポロ・泡立つ)と量
- かゆみ、ヒリヒリ感、赤み、腫れがあるか
- 排尿時の痛み、下腹部痛、発熱、不正出血があるか
- いつから続いているか、月経周期のどのあたりか
- 最近、抗菌薬を飲んだか、新しいパートナーとの性行為があったか
- 妊娠の可能性があるか
排卵のころにおりものが増えた、月経前に少しにおいが強くなった、という変化だけで、ほかの症状がなければ、周期による自然な変化のことが多いです。
自分でできる日常のケア
腟の中は洗わない
「臭いから洗いたい」と思うかもしれませんが、腟の中を洗う(腟内洗浄・ビデの使いすぎ)ことはすすめられていません。NHSは、腟の中を洗うと刺激になるため行わないよう呼びかけています [2]。MSDマニュアル家庭版でも、腟洗浄は外陰部や腟を刺激し、骨盤内炎症性疾患のリスクを高めることがあるとして、腟洗浄器などを使わないことがすすめられています [1]。腟には自分できれいにする働きがあり、乳酸菌を洗い流すとかえってバランスが崩れることがあります。
外陰部はやさしく洗う
洗うのは腟の外側(外陰部)だけで十分です。
- ぬるま湯と、香料の入っていない低刺激の石けんでやさしく洗う [2]
- 香りつきの石けんやジェル、デオドラント、香料入りのウェットシートは避ける [2]
- ゴシゴシこすらず、洗ったあとはよく乾かしてから下着をつける [1]
下着や生理用品
- 通気性のよい綿の下着を選び、合成繊維の下着ばかりにならないようにする [1]
- ナプキンやおりものシート、タンポンはこまめに交換する [1]
- 無香料のトイレットペーパーや洗濯用洗剤を使う [1]
おりものシートは下着の汚れを防ぐのに便利ですが、長時間替えないと蒸れやにおいの原因になることがあります。
市販薬を使うときの注意
腟カンジダの市販薬(腟錠・クリーム)は、以前に医師からカンジダと診断されたことがあり、同じ症状が再発した場合に使うものです。MSDマニュアル家庭版では、過去に真菌感染と診断されていて症状が同じで、ほかの症状がない場合に限って市販薬を使ってよいとされ、治療後も再発する場合は受診するよう書かれています [1]。初めての症状や、生臭いにおい・色のついたおりものがあるときは、カンジダ以外の原因のこともあるため、まず受診してください。
性感染症の検査を受けるには
性行為のあとにおりものが変わった、パートナーが変わった、パートナーに症状がある、といった場合は、性感染症の検査を考えるタイミングです。クラミジアのように症状がほとんどないまま進むものもあります [8]。
検査を受ける方法には、主に次のようなものがあります。
- 婦人科・性感染症内科などの医療機関:症状がある場合は、診察と検査、治療まで一度に受けられます。
- 保健所:厚生労働省によると、保健所によっては匿名・無料で梅毒などの性感染症の検査を受けられ、夜間・休日や女性専用の検査日を設けているところもあります [9]。対象の検査項目や日程は自治体によって違うため、お住まいの地域の保健所に確認してください。
- 郵送の検査キット:自宅で検体を採って送り、結果を受け取るサービスもあります。症状がないときの確認に使う人もいますが、陽性だった場合や症状がある場合は、医療機関での診察と治療が必要です。
性感染症とわかった場合は、パートナーも検査・治療を受け、治療が終わるまで性行為を控えることが大切とされています [7][8]。

婦人科を受診する目安
おりものの悩みは、婦人科で相談できます。性感染症の心配がある場合は性感染症内科、泌尿器科でも検査を受けられることがあります。妊娠中の方は、かかっている産婦人科に連絡してください。
こんなときは受診を
- 生臭い、または腐ったような強いにおいが数日続く
- 色が灰色・黄色・緑色になった、泡立っている、ポロポロしている
- かゆみ、ヒリヒリ感、外陰部の赤みや腫れがある
- 市販のカンジダ薬を使っても良くならない、何度もくり返す
- 性行為のあとにおりものが変わった、パートナーに症状がある
- タンポンなどを取り出せない
早めに受診したほうがよいサイン
MSDマニュアル家庭版では、次のような症状は注意が必要なサインとされています [1]。
- 発熱や下腹部(骨盤のあたり)の痛みがある
- おりものに血が混じる。特に閉経後の出血
- おりものに便が混じる
また、妊娠中のおりものの変化、不正出血や性交後の出血がある場合も、早めに相談してください [2]。
婦人科ではどんなことをする?
初めてだと不安かもしれませんが、おりものの相談は婦人科でよくある内容の一つです。一般的には次のような流れになります [1][3][4]。
- 問診:いつから、どんな色やにおいか、かゆみや痛み、月経周期、性行為や妊娠の可能性、飲んでいる薬などを聞かれます。
- 内診:腟の中や子宮頸部の様子を見ます。
- おりものの検査:綿棒でおりものを少し採り、顕微鏡で調べたり、腟内の酸性度(pH)を測ったりします。カンジダの培養や、クラミジア・淋菌の検査(遺伝子検査)を行うこともあります。
- 必要に応じて:骨盤内の炎症が疑われるときは、血液検査や超音波検査を行うことがあります。
治療は原因によって異なります。細菌性腟症には腟錠や飲み薬の抗菌薬(メトロニダゾールなど)、カンジダには抗真菌薬の腟錠や塗り薬、トリコモナスには抗原虫薬、クラミジアや淋菌には抗菌薬が使われます [3][4][6][7][8]。薬の種類や使い方は、検査の結果や妊娠の有無などをふまえて医師が決めます。トリコモナスや性感染症では、パートナーの治療も必要になります。
よくある質問
Q1. おりものに少しにおいがあるのは異常ですか?
健康な腟には乳酸菌がいて酸性に保たれているため、わずかに酸っぱいようなにおいがするのは自然なことです。月経前後や汗をかいたあとに、においが強く感じられることもあります。魚のような生臭いにおいや、腐ったような強いにおいが続く場合は、細菌性腟症や異物などの可能性があるため受診してください。
Q2. 生臭いにおいが性行為のあとに強くなるのはなぜですか?
細菌性腟症では、性交後や月経中におりものがアルカリ性に傾き、魚のようなにおいが強くなりやすいとされています。細菌性腟症は性感染症ではありませんが、検査で確認でき、抗菌薬による治療が行われます。においが気になるときは婦人科で相談してください。
Q3. 腟の中をビデやシャワーで洗えばにおいは消えますか?
腟の中を洗うことはすすめられていません。刺激になったり、腟内の乳酸菌を減らしてバランスを崩したりすることがあり、骨盤内の炎症のリスクとの関連も指摘されています。洗うのは外陰部だけにして、ぬるま湯と低刺激の石けんでやさしく洗ってください。
Q4. おりものが黄色っぽいのは病気ですか?
色だけで原因を決めることはできません。濃い黄色や緑色、泡立っている、量が急に増えた、においやかゆみ・痛みをともなう場合は、トリコモナスやクラミジア、淋菌などの感染症のこともあるため検査を受けてください。
Q5. 症状がなくても性感染症の検査を受けたほうがいいですか?
クラミジアのように、女性では症状がほとんどないまま進むものがあり、放置すると不妊の原因になることがあります。パートナーが変わったときや、パートナーに症状があるときは、症状がなくても検査を考えてよいタイミングです。医療機関のほか、保健所の検査や郵送の検査キットを利用する方法もあります。
参考文献
参考にした論文・資料(9件)
- MSDマニュアル家庭版. おりもの. https://www.msdmanuals.com/ja-jp/home/22-女性の健康上の問題/婦人科疾患の症状/おりもの
- NHS. Vaginal discharge. https://www.nhs.uk/symptoms/vaginal-discharge
- 日本性感染症学会. 性感染症 診断・治療ガイドライン(草案)細菌性腟症. https://jssti.jp/pdf/2-8_2025.pdf
- MSDマニュアル プロフェッショナル版. 細菌性腟症(BV). https://www.msdmanuals.com/ja-jp/professional/18-婦人科および産科/腟炎-子宮頸管炎-および骨盤内炎症性疾患/細菌性腟症-bv
- Centers for Disease Control and Prevention (CDC). Bacterial Vaginosis (BV) Statistics(Koumans EH, et al. Sex Transm Dis. 2007, NHANES 2001–2004). https://www.cdc.gov/std/bv/stats.htm
- MSDマニュアル家庭版. 腟の真菌感染症(腟カンジダ症). https://www.msdmanuals.com/ja-jp/home/22-女性の健康上の問題/腟炎-子宮頸管炎-および骨盤内炎症性疾患/腟の真菌感染症-腟カンジダ症
- MSDマニュアル家庭版. トリコモナス腟炎. https://www.msdmanuals.com/ja-jp/home/22-女性の健康上の問題/腟炎-子宮頸管炎-および骨盤内炎症性疾患/トリコモナス腟炎
- 厚生労働省. 性器クラミジア感染症. https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/chlamydia-std.html
- 厚生労働省. 性感染症. https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/seikansenshou/
※この記事は一般的な医療情報の提供を目的としたもので、診断や治療に代わるものではありません。気になる症状がある場合は医療機関にご相談ください。
この記事について
- 書いた人
- フェムコア研究所 編集部
- 確かめ方
- 参考文献に挙げた9件の資料を開いて、数字や表現が原文と合っているかを確認しています。「必ず治る」「誰にでも効く」とは書きません。
- 更新履歴
- 2026.10.31 公開
- 誤りの報告
- 内容の誤りや古くなった情報に気づいたら、お問い合わせからお知らせください。確認して直します。




